日本細胞外小胞学会

沿革

設立の経緯

1993年(平成5年)、文部省がん重点研究の支援のもとに「癌化学療法の分子標的」ワークショップが開催されました。癌化学療法における分子標的研究の重要性が認識されつつある機運をとらえて開催されたものです。このワークショップの参加を呼びかけたところ、数多くの研究者の参加を得、3回にわたって開催されたワークショップはいずれも盛会のうち成功裡に行なわれました。同時に参加者の中から、この分野の研究をさらに推進し実り多いものにするために、新たな研究会の設立を要望する声が高まりました。

そのような情勢を踏まえて、このワークショップの有志が「がん分子標的治療研究会」の設立を提案し、多くの先駆的な研究者のご賛同をいただき、1996年(平成8年)、正式に発足の運びとなりました。

そして、がん分子標的治療研究会は、我が国におけるがん分子標的治療研究の推進を目標に12年間活動をしてまいりました。これを踏まえ、がん分子標的治療研究の一層の発展を期して、鶴尾 隆先生が学会設立に努力し、平成20年11月1日付で日本がん分子標的治療学会(初代理事長 鶴尾 隆)が設立されました。

日本がん分子標的治療学会はその前身である「がん分子標的治療研究会」の設立の趣旨を踏まえ継続的に発展したものです。そこで以下に「がん分子標的治療研究会」の趣意書を提示します。

がん分子標的治療研究会設立趣意書

がんの治癒へ向けて新しい抗がん剤への期待は極めて大きなものがあります。しかしながら、抗がん剤をベースとするがん化学療法の治癒率への貢献度は、未だに満足すべき状況に達しておらず、現在の抗がん剤では十分な治療効果が得られないがんもまだ多くあります。こうした中で、がん化学療法に「分子標的治療」という新しい概念が芽生えてきました。すなわち、がんに特徴的な分子(これを分子標的と呼ぶ)の機能を解明し、基礎的研究成果をもとにある分子標的に対し特異的な治療法(分子標的治療)を考えようというものであります。

文部省がん重点領域研究では、「癌化学療法の分子標的」と題したワークショップを過去3回開催し、各方面の研究者に理解を求めると共にこの新しい分野への参加を呼びかけてまいりました。その結果、多くの反響と賛同が得られ、過去3回の会を成功裡に行えましたことはご存知の通りであります。今回この会を独立した研究会とし、さらに発展させよう構想が生まれました。

「がん分子標的治療研究会」設立の趣旨は、分子標的治療によるがんの治癒をめざし、有望な分子標的として何を選択し、いかに治療へ応用するかについて、基礎および臨床の第一線の研究者が情報交換と討論をする場を提供すること、そして胎動期にある分子標的治療を大きく発展させることであります。分子標的研究の対象は、がん遺伝子産物・シグナル伝達系・増殖因子/サイトカイン・転写因子・DNA複製/修復・細胞周期・細胞形態形成・薬剤感受性/耐性因子・膜酵素・転移・免疫・分化・アポトーシスなど多岐にわたり、さらに遺伝子治療も分子標的研究の延長上にあるといえます。分子標的治療を志向する上で、広範な基礎研究の活性化、先端的研究成果の確認と整理、臨床応用上の問題点の検討などが必須であり、それには基礎および臨床研究者、さらには企業において直接研究開発に携わっている研究者の緊密な連携が不可欠であります。種々の領域の研究者が「がんの分子標的治療を発展させる」というコンセンサスのもとに、一つの土俵上で率直に議論を重ね、国際的に評価されるような研究成果をまとめる努力をすることは、がん化学療法に新しい道を開くことになりその将来にとって極めて意義深いことと存じます。

以上、がん分子標的治療研究会設立の趣旨にご賛同いただき、各方面のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 平成8年7月吉日

「がん分子標的治療研究会」設立発起人

石 塚 雅 章   杉 本 芳 一
今 井 浩 三   曽 根 三 郎
上 田 龍 三   鶴 尾   隆
上 原 至 雅   内 藤 幹 彦
梅 沢 一 夫   松 田   彰
桑 野 信 彦   矢 守 隆 夫
西 條 長 宏   吉 田 輝 彦

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